VISION
2032年に向けて

2032 Vision
2032
受注生産から、提案できるメーカーへ。
図面をいただいてつくる仕事は、これからも会社の柱です。ただ、それだけだと比べられるのは価格だけになります。船の使われ方から仕様を提案できる会社になるために、2032年までの6年をどう使うかをここに書いておきます。
Message
正直に言うと、
出遅れています。
同業の中で、当社が特別に進んでいるということはありません。3D化は同規模の他社より数年遅れていますし、見積は今もベテランの経験に頼っています。工場に入れば、20年前と変わらない道具で作業している場所もあります。
それでも取引が続いているのは、少量で面倒な品を断らずに受けてきたからです。年に3個しか出ない金物でも、図面を引いて、治具をつくって、納めてきました。効率だけを見れば、やらないほうがよかった仕事もあります。ただ、その積み重ねが512品番という形で残り、いま新しい引き合いの入口になっています。
2032年の目標は、この蓄積を「提案」に変えることです。そのために必要なのは新しい設備ではなく、船の上で何が起きているかを想像できる人だと考えています。入社してすぐにできることではありません。5年、10年かけて身につけてもらう前提で、採用しています。
代表取締役 XXXX(架空デモ企業のため氏名は伏せています)
Roadmap
6年で、
何を順番にやるか。
紙図面の棚卸しを終える
倉庫に残る約4,200枚の紙図面のうち、現在も出荷がある品番を3Dデータに置き換えます。図面を描いた本人しか読めない状態を、まず解消します。2026年度末で移行率は61%です。
見積の根拠を社内で共有する
見積は現在、ベテラン3名の勘に依存しています。過去5年の実績原価を工程別に分解し、誰が引いても±10%に収まる積算表をつくります。若手が単独で見積を出せる状態が目標です。
自社仕様品を市場に出す
受注生産だけでなく、標準仕様のハンドレールとステップを自社カタログとして持ちます。売れるかどうかは分かりません。ただ、値段を自分たちで付ける経験を会社として一度持つ必要があると考えています。
中間層の空白を埋める
30代の技術者が薄く、10年後に指導できる人が足りません。中途採用と社内育成の両輪で、35〜44歳の人数を現在の21名から40名規模へ引き上げます。
見積を数字で引き継ぐ
2027年につくった積算表を、5年分の実績で補正します。勘に頼らず、担当が替わっても同じ金額が出る状態にします。
提案からつくる比率を3割に
売上に占める自社提案品の比率を30%にします。残る7割は従来どおりの受注生産です。全部を置き換えるのではなく、価格以外で選ばれる柱を1本増やすことが狙いです。
Themes
3つの重点テーマ
設計データの標準化
Standardize品番ごとにばらばらだった図面の描き方を統一します。属人化した書式は、担当が抜けた瞬間に会社の資産でなくなります。地味な整理ですが、2032年の目標はここが土台です。
工程の内製維持
Keep In House切断・曲げ・溶接・研磨を外に出さない方針を続けます。外注のほうが安くなる工程もありますが、検査で見つけた不具合を翌日の図面に戻せる速さを優先します。
技能の引き継ぎ
Pass The Baton50代以上が26名います。この人たちが持っている「音で判断する」たぐいの技能を、動画と数値の両方で残す取り組みを始めています。全部は残せないと分かったうえで進めています。
SDGs
関係のある3つの目標
研磨工程で出る金属粉と加工油を全量回収し、排水に流していません。海に浮かぶ製品をつくる以上、最低限の責任だと考えています。
小型船の甲板金物は多品種少量で、自動化が進んでいない領域です。治具の内製と3D化で、少量でも採算が合うつくり方を探しています。
前年度の平均残業は月16.8時間、有給取得率は72%でした。繁忙期の偏りをならすことが当面の課題です。
17目標のすべてに取り組んでいるとは書きません。実際に手をつけている3つだけを挙げています。数値の根拠は社内集計で、第三者の検証は受けていません。