OUTFITTING DESIGN
艤装設計の仕事
Overview
要望書を、
つくれる形にする。
造船所から届くのは、多くの場合A4で数枚の要望書と、載せる機器の外形図だけです。「乗降口に手すりを」としか書かれていないこともあります。そこから、握り径、高さ、取付ピッチ、板厚、溶接の位置までを決めて、加工機がそのまま読める3D図面に落とすのが艤装設計の仕事です。
判断の基準は2つあります。ひとつは荷重で、大人が体重をかけてもたわまないこと。もうひとつは10年後で、海水と紫外線を浴び続けても腐びが出ないことです。この2つは、しばしば相反します。板を厚くすれば強くなりますが、重くなって取り付けにくくなる。溝を切れば水が抜けますが、切り方を誤ると逆に塩が溜まります。
在籍は21名、平均年齢36歳です。うち14名が機械系の学科出身で、7名は文系学部や他分野からの転向です。
A Day
ある1日の流れ
朝礼と当日の確認
設計棟で10分の朝礼です。出図予定と、加工棟から上がってきた質問を共有します。急ぎの手直しがある日は、ここで担当を決めます。
図面の作成(前半)
午前は割り込みが少ないため、新規案件のモデリングに充てます。3D CADで形をつくり、板厚と溶接位置を決めていきます。集中が要る作業をこの時間に置いています。
加工棟へ確認に行く
先週出した図面がどう加工されているかを見に行きます。徒歩1分です。「この曲げRだと治具が要る」といった指摘は、この時間にもらうことがほとんどです。
昼休憩
社員食堂で1時間。設計と製造が同じ場所で食べるので、午前の指摘の続きが雑談で片づくこともあります。
造船所との打ち合わせ
月に2〜3回、オンラインまたは訪問で行います。要望書に書かれていない前提を引き出すのが目的です。「この艇は何人乗りますか」といった質問から寸法が変わります。
図面の作成(後半)
打ち合わせで出た変更を反映します。1か所直すと影響する部品が他にないかを確認する作業が、ここでの大半を占めます。
出図とチェック依頼
完成した図面を先輩か、3年目以降は自分で最終確認します。品質保証から回ってきた不具合の原因確認も、この時間に入ることがあります。
翌日の段取りをして退社
定時は17時です。前年度の設計部の平均残業は月18.2時間で、月2回の定時退社日を設けています。10月から12月は繁忙期で、これより増えます。
Reward / Difficulty
やりがいと、難しさ
毎回、考えることがある
艤装品は1品ずつ条件が違います。同じ型の艇でも、載せる機器が変われば手すりの取り回しが変わります。前と同じで済む仕事がほとんどないため、量産設計に比べて効率は悪いのですが、繰り返しの作業に飽きるということはありません。
結果が10年残る
納めた艤装品は10年以上、洋上で使われます。自分が決めた握り径を誰かが握り、自分が決めた踏面を誰かが踏みます。名前が残るわけではありませんが、そこに手を抜けないという緊張感が、この仕事の中心にあります。
図面上の正解が、現場の正解とは限らない
寸法が合っていても、溶接トーチが入らない位置に線を引けば、その図面はつくれません。1年目はこの指摘を何度も受けます。落ち込む人もいますが、加工棟まで歩いて1分なので、聞きに行ける環境ではあります。
すぐには一人前になれない
判断を任せられるまでに3年前後かかります。1品ずつ条件が違うぶん、型を覚えれば済むという仕事ではないためです。早く裁量がほしい方には、遅いと感じられると思います。
Wanted
求める人物像
- 図面の向こうに、それが使われている場面を想像できる人
- 分からないことを、分からないうちに聞ける人
- 自分の設計の誤りを、他人に指摘されて直せる人
- 机の前だけでなく、加工棟まで歩いていける人
- 「たぶん大丈夫」で済ませず、数字で確認する人
- 10年後にその部品がどうなっているかを、判断の基準にできる人
3D CADの操作は入社後に覚えられます。逆に、上の6つは入社後に身につけるのが難しい部分だと考えており、面接ではここを見ています。
Career
8年目までの道のり
| 時期 | 等級と役割 | 任される仕事 |
|---|---|---|
| 1年目 | G1 / 既存品の改造図 | メンターの先輩がつきます。寸法を1か所変える改造図から始め、変更の影響範囲を確認する順番を身につけます。造船所との打ち合わせには同席のみです。 |
| 3年目 | G2 / 1品番を単独で | 受注から出荷まで、1つの品番を自分の判断で回します。造船所との打ち合わせにも1人で出ます。失敗もこの時期に経験してもらう前提です。 |
| 5〜8年目 | G3 / 新規案件の担当 | 前例のない形状の設計を任されます。生産技術と一緒に治具から考え、量産できる形に落とし込みます。若手の図面チェックも担当します。 |
| 8年目以降 | G4 / 管理職か専門職か | グループの工程を組む管理職と、耐食設計などを深める専門職に分かれます。等級の上限は同じで、給与に差はありません。 |
Requirements
この職種の募集条件
- 採用予定
- 新卒2名 / 中途3名
- 新卒に求めるもの
- 機械系の基礎知識(材料力学・製図)。学科は不問ですが、あると最初の半年が楽になります
- 中途に求めるもの
- 3D CADの実務経験2年以上。機種は問いません。舶用の経験は不要です
- 月給
- 新卒 月給XXX,XXX円 / 中途 月給XXX,XXX円〜XXX,XXX円
- 勤務時間
- 8時15分〜17時00分。フレックス(コア10時〜15時)を選べます
- 残業
- 前年度の設計部平均は月18.2時間。10〜12月は月30時間を超える人もいます
- 出張
- 年4〜8回。造船所での立会や不具合対応で、7割は日帰りです