INTERVIEW 01
図面の向こうに船がある
- 所属
- 設計部 艤装設計グループ
- 入社年
- 2022年(新卒)
- 出身
- 工学部 機械システム工学科
- 担当
- ハンドレール、乗降ステップの新規設計と改造設計
- 等級
- G2(3年目にG1からG2へ)
- 表記
- K.SAITO — 2022 join
船に乗ったのは、入社してからでした
学生のときに船を選んだ理由は、正直に言うと消去法です。自動車も家電も志望していて、たまたま最初に内定が出たのがここでした。船に乗った経験もありませんでした。
入社3か月の研修で、切断も曲げも溶接も一通りやります。設計に行くのに何のためだろうと思っていたのですが、配属後にすぐ意味が分かりました。最初に描いた手すりの図面で、溶接する位置にトーチが入らないと言われたんです。研修でトーチを握っていたので、言われた瞬間に自分の間違いが分かりました。あれを経験していなかったら、なぜ駄目なのか納得できずに揉めていたと思います。
1年目はメンターの先輩がついて、既存品の改造図から始めました。寸法を1か所変えるだけの図面でも、変えた影響が他の部品に出ないかを全部確認します。地味ですが、この確認の順番を体に入れる期間だったと今は思います。
3年目に、はじめて1品番を任されました
受注から出荷まで、自分の判断で回す最初の案件でした。20フィートの艇に載せる乗降ステップです。造船所の担当者と直接やり取りして、寸法を決めて、治具の相談をして、出荷まで見ました。
そこで失敗した話
ステップの踏面に滑り止めの溝を入れる設計にしたのですが、溝の底に水が溜まる向きになっていました。試作品を見た製造の先輩が「これ、塩が残るよ」と言って、そこで気づきました。図面上では何の問題もありません。海の上で使われている状態を想像できていなかっただけです。
直すのに3日かかりました。誰にも責められませんでしたが、自分の中では大きな失敗でした。それ以来、図面を描き終わったあとに一度、その部品が濡れている状態を頭の中で想像するようにしています。
いま面白いと思っていること
艤装品は1品ずつ条件が違います。同じ型の艇でも、載せる機器が変われば手すりの取り回しが変わる。量産品のように「前と同じ」で済む仕事がほとんどありません。効率は悪いのですが、毎回考えることがあるという意味では飽きません。
あとは、自分が寸法を決めた部品が10年以上洋上で使われるということです。名前が残るわけでも、誰かに感謝されるわけでもありません。ただ、どこかの港で誰かがその手すりを握っていると考えると、雑な仕事はできないなと思います。
図面の向こうに船がある。
それを忘れると、寸法だけ合った使いにくい部品ができます。 K.SAITO — 設計部 艤装設計グループ
設計だけで完結しないのがこの会社の特徴だと思います。加工棟まで歩いて1分なので、迷ったら見に行けます。逆に言えば、机の前だけで仕事をしたい人には向いていないかもしれません。
これから入る人へ
機械系の知識は、あったほうが最初の半年は楽です。ただ、同じグループには文系学部から入って設計をやっている先輩が2人います。図面の読み方は研修で全員が最初から習うので、そこは心配しなくていいと思います。
ひとつだけ言うとすれば、分からないことを分からないと言えるかどうかです。ここは聞けば教えてくれる人ばかりですが、聞かずに進めた図面は、必ず後工程で誰かが直すことになります。私も1年目にそれをやりました。
Weekly
私の1週間
| 曜日 | 午前 | 午後 |
|---|---|---|
| 月 | 週の出図予定を確認し、優先順位を組み直す | 加工棟で先週出した図面の進み具合を見る |
| 火 | 新規案件の3Dモデリング(半日まとまった時間を確保) | 生産技術と治具の相談 |
| 水 | 造船所とオンライン打ち合わせ(月2〜3回) | 打ち合わせで出た変更の反映 |
| 木 | 改造図の作成、既存品番の図面修正 | 品質保証から回ってきた不具合の原因確認 |
| 金 | 出図とチェック依頼、翌週の段取り | 定時退社日(月2回) |
10月から12月は造船所の工期が重なり、この表より忙しくなります。全社の残業時間は 数字で見る に載せています。
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Message
最後にひとこと
工場見学のとき、加工棟の音の大きさに驚くと思います。
私も学生のときは、正直「ここで働くのか」と思いました。
ただ、あの音のなかに自分の図面が形になっていく場所があります。
見学の日に、そこまで想像してみてください。 K.SAITO — 設計部 艤装設計グループ