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経営会議で最初に見るべき3つの数字

ある会社の経営会議に初めて同席したとき、40枚の資料が配られました。部門別の売上、商品別の粗利、在庫の一覧、クレームの件数。どれも正しい数字です。ただ、会議は2時間で、そのうち90分が資料の読み上げに使われていました。数字を見る時間はあっても、決める時間がありません。これは珍しいことではありません。

資料を減らすと、決まる件数が増えます。当社が最初にお願いするのは、たいてい「会議資料を3枚にしてください」ということです。では、その3枚に何を載せるか。以下の3つを推しています。

1. 限界利益率

売上ではなく、売上から変動費を引いた限界利益を見ます。事業別・商品別・顧客別の3軸に分けると、会計上の数字とはまったく違う景色が出てくることがあります。売上構成比で1位の顧客が、限界利益では5位だった、といったことが実際に起きます。

月次で見るべきは金額ではなく率です。金額は季節変動で上下しますが、率が落ちているときは、値引きが増えたか、原価が上がったか、構成が変わったかのどれかです。原因が3つに絞れるので、会議で追える形になります。

2. 運転資金の増減

売上債権と棚卸資産を足して、仕入債務を引いた額です。これが増えているということは、稼いだ利益がその分だけ現金にならず、社外に置かれているということです。「売上は伸びているのに現金が残らない」の正体は、たいていここにあります。

月次の推移をグラフで1枚出すだけで十分です。増えているなら、回収が遅れているのか、在庫が積み上がっているのか、支払いを早めてしまったのか。内訳を見れば分かります。

この数字で分かること

  • 回収サイトが実質的に延びていないか
  • 売れない在庫が積み上がっていないか
  • 取引条件が、いつのまにか不利に変わっていないか
  • 増える運転資金を、何で賄っているか(利益か、借入か)

3. 受注残

来月以降の売上として、すでに確定している金額です。売上は過去の結果ですが、受注残は未来の話をするための数字です。会議で先の話をしたいなら、これがないと始まりません。

売上だけを見ている会議は、必ず過去の話になります。終わったことの説明に時間が使われ、来月どうするかの議論が最後の10分に押し込まれる。順番を逆にするだけで、会議の性質が変わります。

受注残を出すのが難しい業種もあります。小売や飲食では確定受注という概念がないためです。その場合は、来店数や会員数のように、売上に先行して動く指標を代わりに置きます。何でもよいのですが、「先に動くもの」であることが条件です。

3枚に減らすと、何が起きるか

深緑トーンでまとめられたワークコーナー
会議資料を減らすと、最初の数回は「情報が足りない」という声が出ます。3か月ほどで収まります。

資料を減らすと、必ず反対が出ます。「見ていた数字が見られなくなる」という不安です。実際に起きるのは、次のようなことです。

  • 最初の2〜3回は落ち着きません。手元に数字がないことへの不安から、口頭での確認が増えます。ここは我慢していただきます。
  • 3か月ほどで、議論の中身が変わります。説明の時間が減るぶん、判断に使える時間が増えるためです。
  • 減らした資料のうち、本当に必要だったものが分かります。戻してほしいという声が出た資料だけを、翌月から復活させます。だいたい1〜2枚です。

なお、3つの数字を選ぶこと自体が目的ではありません。業種によって適した指標は変わります。大事なのは、会議の時間の使われ方を、説明から判断へ移すことです。その手段として資料の枚数を絞るのが、いちばん手っ取り早いというだけです。具体的な進め方は経営・事業戦略のページに書いています。

代表取締役XXXX

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