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長尺シャフトの振れを抑える、段取りの考え方
細くて長い軸は、削る力で逃げます。
逃げ方を読むのが、この仕事の中身です。
外径φ25、長さ980mmのシャフトを削るとします。細長比は39。この形状で「振れ0.02mm以内」と図面に書かれていると、断る工場がかなりあります。難しいのは寸法を出すことではなく、削り終わったあとも、その寸法が保たれていることです。
振れが出る3つの原因
納品後に「振れが規格に入っていない」と言われる場合、原因はだいたい次の3つのどれかです。加工中の測定では出ていなかったのに、届いた頃には出ている、という形で表れます。
厄介なのは、この3つが同時に起きることです。1つずつ潰していかないと、どれが効いているのか分かりません。
- 切削の力によるたわみ。削っている最中に材料が逃げ、中央が太くなります。
- 調質材の残留応力。削って表面を取ると内部の力の釣り合いが崩れ、時間をかけて曲がります。
- 切削熱による伸び。削っている最中と冷めたあとで、寸法が変わります。
- 掴み替えによる段差。持ち替えた位置で、わずかに芯がずれます。
1. たわみへの対処
振れ止めを当てる位置
刃物の反対側から材料を支えます。1箇所で足りない長さのときは2箇所に増やしますが、当てる位置は全長の1/3と2/3が基本です。等間隔にすると、支点の間で逆にたわむことがあります。
当てる力の決め方
強く当てれば逃げは減りますが、今度は支えた箇所が痩せます。数値で決められるものではないので、1本目を削って測り、3回ほど調整します。ここに半日かける前提で工程を組んでいます。
2. 残留応力への対処
荒削りのあと、寝かせる
調質材は削るほど曲がります。荒削りの直後に仕上げると、その時点では寸法が出ていても、出荷後に曲がりが出ます。当社は荒削り後に24時間置き、曲がりきらせてから仕上げに入ります。
取り代を均等に残す
片側だけ深く削ると、その面だけ応力が抜けて反ります。荒削りの段階で、全周から均等に取ることを意識します。図面の寸法だけを見て最短で削ると、この点を外します。
24時間寝かせる工程は、納期を1日延ばします。それでも入れているのは、出荷後に曲がって返ってくるほうが、双方にとって高くつくからです。
3. 熱と掴み替えへの対処
測るタイミングを決めておく
加工直後の材料は熱で伸びています。その状態で測って合わせると、冷えたあとに寸法が小さくなります。当社は加工後30分以上おいてから測ることを、工程表に明記しています。
そもそも掴み替えない
主軸を材料が貫通する旋盤を使えば、980mmでも掴み替えずに送りながら削れます。段差が原理的に出ないので、これがいちばん確実です。設備の選択で解決できる部分です。
設計の段階でご相談いただけると
加工しやすさが変わる箇所
- 全長を50mm短くできると、細長比が下がって難易度が大きく変わることがあります。
- 振れの指定を全長ではなく、必要な区間だけに限定できないか。
- はめあい部以外の公差を、1桁ゆるめられないか。
図面が固まる前であれば、こうした提案ができます。固まったあとでは変更に手続きが要るため、設計中のご相談を歓迎しています。この段階のご相談に費用はいただきません。
実際にこの手順で対応した案件を、加工事例に載せています。他社で振れが0.05mm出ていたものを、0.018mmまで収めたケースです。

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図面をお送りいただければ、加工の可否を2営業日以内にご回答します。
お手元の図面ではどうなるか、というご相談も承ります。設計中の段階でも構いません。